攻×攻
突然の言葉。
「ねえ、やろっか。」
「何をだ?」
「何って、えっち。」
・・・・コイツは夏の暑さでおかしくなってしまったのだろうか。
ベッドのスプリングが抗議の声を上げる。
そらそうだろう。でかい男二人が自分の上に倒れてきたのだから。
「待て。なんでんなことをいきなり言い出す?」
眉根に皺を寄せながら聞く。
「なんか、浩武見てたらムラムラしちゃって。」
えへ。と世間に可愛い、綺麗だといわれる顔で微笑む。
「俺は断じてんな趣味はない。俺は胸のでかい姉ちゃんと乳繰り合ってたいからな。」
上半身を起こしてそういうと、不満そうに声を上げた。
「えー。でも、絶対僕の方が美人だよ?」
自信満々だな、オイ。
「だろうな。お前ほどの美人を俺は見たことがない気がしないでもない。だが・・・」
言葉を続けようとしたところで唇を塞がれる。
声も上げられないほど深く唇を合わされ、不覚にも欲望が芽生える。
「ねえ、しよう?」
目の前のコイツが卑猥な悪魔に見えるのは、俺だけか。
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