攻×攻

飽きれた状況。



「ひとつ、聞きたいんだが。」

首元に顔を埋めている奴が生返事をする。

「俺がネコなのか・・・!?」

彼はにっこり笑い、当たり前じゃん、と言った。


「待て、それはない。猫がライオンの如く吼えるのと比べるぐらいあり得ない。」
「浩武、表現変だよ?」
楽しそうに笑いながら再び首元に赤い跡を残す彼が無償に腹立たしくなり、体に力を入れてひっくり返す。
「っわ・・!」
体勢が変わったことで俺が奴を見下ろす形となる。
同じように白い首元に顔を埋めていると、奴が呟く。
「だって俺、タチだもん。」拗ねたようにして。
「悪いが、俺もタチだ。」男は抱いたことないがな。

いつの間にかやる、やらないではなく、どっちがネコでどっちがタチだ、という話になっている。
小さく溜息をついて身を起こし、テーブルから煙草を掴む。
奴は横になったまま、更に機嫌を損ねた顔をしている。

「じゃあいいから、とりあえずシャブラセテ?」


・・・・・忘れていた、コイツが卑猥な悪魔だって事を。