攻×攻

涙のその奥で。



「・・・イイか?」

荒々しく呼吸をしながら、彼が聞く。

もう何を聞かれているのかもわからなかったけど。

頷いた。


「や、ぁっ!?」
ゆっくりと、彼が挿入ってくる。
根元までびっちり入れられ、浅い息しかできない。
大きく足を開いた体勢はキツいし、苦しい。

様子を見て彼が動き出し、また身体が震える。

涙が溢れた。

「なん、で・・んななれ・・ってぁぁっ!」
「何だ。痛いか?」
首を左右に振る。
なんでそんなに慣れてるの?
僕はそういったはずなんだけど。
途切れ途切れの言葉は伝わらなかったらしい。

初体験とは比べ物にならないぐらい良くて。
考えると過去の記憶に捕らわれそうになり、目を閉じる。

「大丈夫だ。」
彼は一言、僕を抱きしめた。