恋愛部成就課

報告書NO.01(4)

「ああっ、あっ、あっ……! あき、そこばっか、ダメ……! ちゃんとうご、いて、気持ちよく、なれ……!」
「お前、反応、可愛すぎ、だろっ」
「ああ、あっ……あああっ! あっ!? なに!? な、んだ、そこっ!?」
 勇実の言う通り、ちゃんと動くためにちんこをギリギリまで引き抜き、奥に突き刺す動きを繰り返していると、勇実がそれまで以上にいい反応を見せた。
「んんっ! あっ……ああっ! やだっ、そこっ……! びりって! うそっ、や……!」
 反応のよかった場所を探すように腰を動かすと、時折ちゃんと擦れているようで、内壁がギュッと絞まり、手に握っているちんこからはカウパーが溢れ、頭を床にこすりつけて左右に振っていた。
 尻穴でも気持ちよくなれるものなんだな。もしかして、前立腺っていうやつか?
 勇実を気持ちよくすることを第一にしながら、しかし勇実に言われた通りに自分の快感も追いかけながら、夢中で動く。
「くっ! ……勇実、俺……もう、もたねえ……っ」
「俺も、でるっ! ああっ、あっ、あああ――! でるでるっ! ああっ! あき、好き――!!」
「んんっ! くぅ、あっ――!!」
 扱いていた勇実のちんこから、勢いよく精液が放たれる。勇実がイくと同時に内壁がぎゅうっと絞まり、俺も耐え切れなくなりちんこを引き抜くと、勇実の内腿に精液を出した。
「はあ、はあ、はあ……、ん……」
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
 荒い息を吐きながら、俺は勇実の上に被さるように横たわった。
 頭の横にあった勇実の手に自分の手を重ね、指を絡める。
「……明弘、重い……」
「悪い、でも、もちょっと我慢して」
「…………童貞、捨てた気分どうよ?」
「お前こそ、俺の童貞奪った気分、どうなんだよ?」
 茶化すように訊くと、背中を思い切り叩かれた。
「……色々確認しなきゃなんねえこととかあるけど、とりあえず、風呂でも入るか?」
 息が落ち着いたところで勇実にそう言うと、勇実は笑って今度は軽い力で背中を叩いてきた。
「そうだな、狭い風呂だけど、一緒に入ろうぜ」
「狭くて悪かったな」
 勇実の皮肉に苦笑しながら、躰を起こす。そして、勇実の手をひっぱって起き上がらせた。
 勇実は目を泳がせてから、気まずそうに視線を合わせてきた。だいぶバツの悪そうな顔をしている勇実だったが、話は後でと言った通り、口を開くことはしないで勇実の手を引いて風呂場に移動することにした。
 今日で俺は三十歳になった。恋人いない暦=年齢の記録を更新しようとしていた誕生日の今日、俺に、人生初の恋人ができたみたいだ。



「ふむ。これで、任務完了だな」
「AVとか仕込んだのお前だろ」
「当たり前だ。それが仕事だからな」
「しっかし、なんちゅー温いセックスだよ。もっと濃厚でえっろいセックスにしてやりゃいいのに」
「重要なのは恋心だ。セックスは愛の営みの一部であって、それだけが目的じゃない。そもそも、なんでエロスがここにいるんだ」
「んー? オレはもう任務終わったから、クピドの様子見に来た」
「そんなものはいらん。任務が終わったのなら、さっさと報告をしに行けアホ」
「一緒にイこうぜぇ、クピ〜ドォ〜!」
「気持ち悪い声を出すなアホ!」



【END】

20150306