恋愛部成就課
報告書NO.02 (3)
「ど、どうして、こんな……?」
「使ってたから」
「つか――!?」
普通のローションから、匂いのついているローション、コンドームなどが入っている引き出しの中。もちろん、遊んでいた時の物とは違う新しい物だ。それらを何に使っていたかというと、それはまあ、寂しい夜のアイテムというわけで。
何に使っていたのか皆目見当もつかないであろう梅木は、戸惑いつつも中からひとつローションのボトルを取り手渡してくれた。受け取ったボトルの蓋を開けて、手に多めに液体を垂らした。男同士のセックスのやり方を知らないであろう梅木は、オレが手に出したローションをどうするのか興味があるという目でオレの行動をじっと見ていた。
梅木の視線を感じながら、膝立ちになりローションまみれの手を尻に持っていく。穴にローションを塗りこみ、一本指を入れた。
「あ……、ん……」
「え、海老名……」
「ちょっと、待ってな……。んん、ん……」
一本から二本、二本から三本とローションを継ぎ足しながら指を増やし、梅木を受け入れる準備をしていく。
オナニーで指くらいは入れていたが、今からそれよりも大きい質量のものがオレの中に入ってくる。それを考えただけで、期待に胸が震え、尻の穴も広がっていくような感覚がした。
「はっ……、ん……んん……、ん、あ……」
三本の指がスムーズに出入りできるようになったところで指を引き抜き、手をシーツで拭うと、ベッドボードに手を伸ばしてコンドームを取った。
「コンドーム……初めて実物見た……」
「マジで? そんじゃ、あとでじっくり触ってみな。今は、大人しく付けられとけ」
初めての時付けなかったのかと疑問に思ったが、それを今聞いたらさすがにオレも萎えるので訊かないでおいた。
オレが尻穴を解している間も梅木のちんこはちゃんと硬度を保ったままで、そのちんこにコンドームを被せる。
ベッドを軋ませながら梅木の腰の位置に跨るように移動する。これからオレが何をするのかは、ここまでくれば梅木も理解しているようで、ごくりと喉を動かしてオレを見上げてきた。
「ダメなら、言えよ?」
「あ、ああ……。海老名、も……」
「ありがと」
これからすることは梅木にとって恐怖だろうに、オレのことを心配してくれる梅木は本当に優しい。
梅木の唇にキスをしてから、ゆっくりと腰を落としていく。
「は、あ……」
「わわわ……」
梅木の先端が解した尻穴に入っていく。久しぶりの尻穴が広がっていく感覚に、眩暈がしそうになる。
息を大きく吐きながら、ゆっくりと中を梅木で一杯にしていく。
「んあ……ああ……。ん……」
「あ、はあ……、はい、った……」
全て挿入し終え、息を整える。目の前に広がる光景に、梅木が驚きの目をして結合部をジッと見ていた。
足をM字に開き、梅木の腹に手を置くと、躰を上下にゆすって抽挿を始めた。
「うわっ……、あ……」
「あっ、ん……ん……。あ、でかい……お前の……」
「そそそそ、そんなこと、言わないで……! あ、あ、や、うご……っ!」
だんだん馴染んできたことで少し大胆に抽挿してみれば、梅木が律動に合わせて声を出す。ちゃんと感じてくれている証に嬉しくなり、自分の快感も追い求めながらでかいちんこで中を擦っていく。
「んっ……んん……。あっ、っ、ああっ……」
「ふっん……んっっ……。あ、はぁっ……、あっ……」
「あ、あ、あ……! 海老名、俺、もう……!」
「……イくのか? ゴムしてるから、そのままイっても、あっ、大丈夫……。んんっ……あ……」
オレのの手に手を重ねてきながら限界を迎えそうなことを伝えてきた梅木に、腰の動きを大胆にしながら言う。
「ああっ、あっ、で、る……! でる……っ!」
「ふっ、ん……」
目をギュッと瞑り、オレの手に重ねられていた手に力が入った。射精をして息を荒くしている梅木の様子を、腰の動きを止めて観察する。
梅木はイったが、今のところ特に変化をしている様子は見られない。途中で変化が見られるかと思ったが、いつもと変わらない可愛い梅木のままで射精までにいたっている。高校の時のできごとは、本当に初めての経験で意識が混濁していただけだったのかもしれない。
何事もなく終わってよかったと思い、自分はまだイってはいないがとりあえずちんこを抜こうと思い腰を浮かせた。
「……? おい、梅木? なに――あああっ!?」
腰を浮かせて梅木の上からどけようとしていたオレの腰を、梅木が掴んできた。そして、下から力強く腰を打ちつけてきて、その衝撃にオレは躰を仰け反らせ、目をチカチカさせながら声をあげた。
いきなりどうしたというのだろう。イったばかりの梅木のちんこはもう硬さを取り戻していて、ガツガツと遠慮なくちんこを出し入れしている。
「な、なにっ……!? あんっ、どうし、ああっ、梅木……っ! あっ、あっ、ああ……!」
おかしい。明らかに梅木の様子がおかしい。……これって、もしかして……?
「おい梅木! 梅木!」
「ふっ、ふっ、はぁっ……。くっ、はっ……」
声をかけても反応がなく、どこで覚えたというのか巧みな腰使いでオレを責め立ててくる。
これが、梅木の言っていたヤツなのか。しかし、どうして急にそうなったのか。理由を考えたくても、奥を突かれたり、前立腺をカリが引っかいたり、中でグリグリ回されたりと、頭を働かさせてくれない快感に、考えがまとまらない。
「あっ、やっ! そこ、だめっ……! あっあっあっ……あああ――!!」
急激な下からの突き上げに加え、ちんこを握られて擦られ、オレはあっけなく果ててしまった。躰がビクビク震え、それに合わせて穴も絞まる。イったあとの穴の絞めつけに、梅木は顔を歪めて息を吐いた。
「……えっ!? ちょ、今イったばっか! あっ、だめっ! あああっ……!!」
オレの中に入っている梅木はまだ硬いままで、梅木は躰を起こすとオレを押し倒し、一度ちんこを抜くとコンドームを取り払い、ローションをちんこに垂らして生のまま再びちんこを穴にねじ込んできた。
腰を高く持ち上げられ、奥の奥まで梅木が入ってくる。
イったばかりで敏感になっているオレは、痛いくらいの快感に涙を流しながら、シーツを掴んで嬌声をあげることしかできなかった。
「ああっ、あっ、あああっ! んんっ、そこっ、あっあっあっ! おっお……!!」
「はっ、はっ、ふっ……。くっ……」
「ああっ、おくっ……! ふっ、ああっ、はっ、あ、やだやだ……! そこばっか、する、とっ……!」
大きく動いていた梅木が、狙いを定めたように何度もゴリゴリと前立腺を押し上げてきたせいで、また快感の波がやってくる。梅木も再び限界が近づいているのか、息が荒くなっていた。
「あっあっあっ! お、お、あっ……! なかっなかで、ああああ――!!」
「ふっふっふっ……。っ、くっ――っ!」
ゴリゴリと音が聞こえてきそうなくらい良いところを擦られ、尻だけでイってしまった。久しぶりの後ろの快感に、頭がくらくらする。オレがイってすぐ、中で梅木が射精した。二回目だというのに勢いのある射精に、躰がビクビクする。
梅木はオレの躰をギュッと抱きしめ、荒い息をつく。その背中に手を回して、これが梅木の知らない梅木の正体なのかと快感でぼんやりとしている頭で思った。
「……梅木、もう元に戻ったか? おーい、梅木?」
背中をぺちぺち叩いて梅木に声をかける。しかし、まだ梅木の反応はない。
「梅木、大丈夫なのか……? …………え? ちょっと、もしかして……?」
嫌な予感がした。尻の中にまだ入っている梅木のちんこが、また硬くなっていた。
声をかけても反応しない梅木。硬くなっているちんこ。……また、なのか?
「う、梅木……?」
「…………」
「ま、マジか!? ああっ、も、あっ……はっ……!」
また動き始めた意識の戻っていない梅木が、オレを抱きしめたまま、ゆるゆるちんこを出し入れする。
まるで獣になったように本能のまま動いている梅木に、きっとこれは梅木の玉の中身が空っぽになるまで続くのではないだろうかと直感的に思った。
いくらセックスが好きなオレだって、そう何度も連続でやられては体力が持たなくなってしまう。元はといえば好奇心から梅木にセックスを仕掛けたオレが悪いんだ。梅木はちゃんと警告をしていた。だから文句なんて言ってはいけない。そうわかってはいるが……。
「けっこう、きつい……」
梅木には聞こえてはいないだろうが、小さな声で呟きながら三度目の絶頂に誘われていった。
梅木が正気に戻りあたふたし始めたのは、梅木が何度イった後なのかはわからないが、少なくともオレは失神寸前になっていたのだった。
「……おかしい。こんな風にはなるはずではないのだが……?」
「どした、クピド?」
「また来たのかお前」
「今日はちゃーんと報告書出してから来たからダイジョーブ」
「何が大丈夫なんだ。……ったく、どこかでミスをしてしまったのか? しかし、きちんと計画書どおりにはなっていたはずなのだが……」
「何ぶつぶつ言ってんだよ? つーか、あいつすげーよな、めっちゃ獣。正直あそこまで獣になるとは思わなかった」
「……なん、だと……? もしや、お前……?」
「えへっ?」
「えへじゃない! またお前は人の邪魔をして!!」
「いーじゃん。お前はもっと刺激を欲した方がいいぞ?」
「そんなもんはいらん!! この、アホが!!!」
【END】
201050306
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