兄×弟〜 Extra chapter 〜

鮭児?




「伶、無事かっ!?」
相変わらず過保護なんや、この兄ちゃん。
弟見てまるっきし俺を見ておらへんとちゃうかいな?
「よー、兄さん。久しぶりでんな!」
今気付きおったような視線で兄さんが俺を見る。
うわ、露骨に嫌そな顔しやがったな。
「顔怖いんやからんな顔しーひんでくれ。」


しばしの沈黙をおき。
「お前が伶を攫ったのか鮭ーっ!」
「鮭ちゃうわーっ!兄さんがそれ言うよってに何度いじられた思っとるんやー!」
畦迩の畦が鮭に似てるよってに人のことサケ呼び始めたんでっせ!?



隣でサケちゃうもんっ!と半泣きで言いながら畦迩が横から抱きついてくる。
結構なトラウマがあったらしい。
「まぁ確かに鮭児っていうサケはいるけど。」
「また伶ちゃんでそないなこと言うん!?」
もうお嫁にいけへんわーっ!などと意味不明なことを耳元で叫ばないで欲しい。
視線を感じてそちらへ目を向ければ伊弦が畦迩を睨んでるけど華麗にスルーする所が畦迩の凄い所かな。
小声で「石狩鍋にしてやる・・っ!」とか言ってるし。


・・・とりあえず此処離れたいんだけどなー。寒いし。