兄×弟〜 Extra chapter 〜

反省会




「やー、今日は残念だったなぁ。」
「だなー、まっことに残念だった。」
「・・・・・・ていうか残念だった?」

「お前らうるせぇよっ!?」
「「なんだよみっちゃん怒るなよー・・・。」」
いつもふざける二人を仕切るのが充明(みつあき)の役目。
そして
「どした春、どっか怪我したか?」
あまり喋らない俺を心配してくれるのも、充明の役目。
「あえてハルポンの心配っ!?俺ヤーさんに蹴られたよっ!?」
「そいえばそうだっ!ガルガルだいじょぶか!」
「モチロン大丈夫だともっ!」二人は抱き合う。
充明はそれを飽きれた様に見守る。

ガルガル、そう呼ばれているのが河流音(がりゅういん)。
それに合わせてふざけるのがジェジェ、叙端(じょはな)だ。
叙端のあだ名はイニシャルから来ていて、下の名前は純一。

皆が大好きだ。
ずっと一人だった自分に優しくしてくれた。
皆となら何でもできそうな気がする。


「でも、今日のは悪い事だった。」
そう呟くと、そうだな、と返事が返ってきて充明に頭を撫ぜられる。
「せめてナンパにすればよかったかなぁ?」
「そういう問題でもないだろうっ!」充明が河流音の頭を叩く。

ちゃんと反省できるのが、彼らのいい所。
『俺は嫌だっていった。』
そういう言葉を言わないで自分たちでしっかり受け止めるのも、彼らのいい所。

男の子のズボンのポケットに手紙を忍ばせたのだけれど、見てくれただろうか。


怖がっていたし、本当に悪い事をしてしまった。
今度会ったらちゃんと謝ろう。

皆はそう結論を出した。

充明が飯食いに行こうぜ、と明るく声を掛けた。