雅臣と輝紀

風邪

※高校生※


輝:ごほっ、ごほっごほっ。

雅:どうした、輝紀? 風邪ひいたのか?

輝:ごほっ。そう…みたいだ。

雅:大丈夫か? 苦しそうだな。(そう言いながら、輝紀の背中をさする)

輝:……お前、何か良からぬことでも考えてないか?(ジト目を雅臣に向ける)

雅:なんで?

輝:お前がこんな気の利いたことをするなんて、何か裏があるに決まってる。

雅:そんなことある訳ないじゃないか。ハニーが苦しそうにしているのを助けるのが、ダーリンの役目ってやつでしょうが? 裏なんかちっともないですよー?

輝:だから、誰がハニーだっ! ……ごほっごほっごほっ!

雅:ほらほら、そんなに叫ぶから。

輝:誰の、ごほっ、せいだと……!

雅:喋らないの。

 雅臣はそう言って、輝紀が落ち着くまで背中をさすり続けていた。

雅:落ち着いたかい?

輝:ああ、大体はな……。だから、もう止めろ。

雅:なになに? まだ疑ってるの? てか、輝くんはなーにを考えているのかなー?

輝:輝くん言うな!

雅:はいはい。で、何考えてたの?

輝:……別に何も。

雅:あらあらー? お顔が赤いよー? もしかして、イケナイことでも考えていたのかな?

輝:なっ!

雅:まあ、そこまで期待されていたなら、応えないわけにはいかないよね?

輝:き、期待ってなんだよ!? って、なんで近づいてくるんだ!

雅:当然、俺が輝くんの風邪を半分もらってあげるためだよ?

輝:ふ、ふざけたことを言ってんな! なーにが当然だ!? 俺はそんなこと望んじゃいないっ!!


 そう叫びながらも、風邪のせいで思うように躰に力の入らない輝紀は、そのまま雅臣に組み敷かれてしまった。
 そのおかげで当然、輝紀の風邪は悪化し、雅臣は当分の間輝紀に触れることを禁止されたのであった。



【END】