雅臣と輝紀

アツイ日

※高校生※


輝:……暑い……。

雅:え?

輝:暑いって言ったんだ。(少し怒った声)

雅:うーん。ちゃんと冷房ついてるから、暑くはないと思うけど?

輝:……俺は暑いんだよ。(さっきよりも怒った声)

雅:輝くんは我が儘なんだから。でも、これ以上温度下げたら寒くなるよ?

輝:……………。

雅:輝くん?

輝:……お前が俺から離れればいいんだよ! さっきっからぴったりくっつきやがって、暑苦しいったらない! それと、輝くん言うな!

雅:輝紀、絶対そこつっこんでくるよな。

輝:うっさい。嫌なもんは嫌なんだよ。それより早く離れろ!(雅臣から離れようともがく)

雅:暴れない、暴れない。なおさら暑くなるよ?(放さないようにしっかり掴む)

輝:そう思うんなら、さっさと放しやがれ──っ!?

雅:あれ、輝紀? 顔が赤くなってきたよ? どうしたのー?(ニヤッ)

輝:お、お前が……!

雅:俺が何?(すごいニヤニヤしている)

輝:お前! 解ってて言ってんだろ!? ──ぁっ!

雅:いやらしい声出しちゃって、俺を誘ってんの?

輝:誘ってるわけ、ないだろっ! 手を放せ!!

雅:手って、この手?

輝:んっ! や……め……!

雅:本当にやめて欲しいの? ここはこんなに尖っちゃてるのに? もっとして欲しいんじゃない?

輝:……んな、わけ……あるか! 離れろっ!!

雅:っが!!(顎を頭突きされた)

輝:お前! マジでふざけんなよ!?

雅:……痛い。

輝:自業自得だ!

雅:恋人に触れたいと思うのは、いけないことなのか!?

輝:うっせえよ。……そりゃまあ、そう思うのは悪いことじゃないと思うが、その恋人が嫌がってたら放してやるってのは、本当の恋人の、優しさってもんだろ……?(語尾が段々小さくなっていく)

雅:輝紀……。

輝:な、なんだよ?

雅:輝紀ー!!(感動したらしく、ガバッと輝紀に抱きつく)

輝:なっ!? だから離れろっつーの!!

雅:やだ。

輝:はっ!? やだってお前、あんな恥ずかしい思いをして言った俺の言葉を理解できないのか!?

雅:理解はしたよ。ずっごく感動もした。けど。

輝:『けど』なんだよ!?

雅:セックスしたい時は放さない。

輝:ばっ! おま──んっ!(口をキスで塞がれた)

雅:……輝紀、ちゃんとキスに応えて?

輝:ふっ……、や…だ……。

雅:やじゃないでしょ?

輝:ん……はっ……くる…し……っん。

雅:触ってないのに、ここ、また尖ってきてるよ? キス、気持ちいい?

輝:うっさ……い!

雅:正直に言っちゃいなよ? そうすればもっと気持ちよくしてあげるから。(そう言いながら輝紀の胸を弄る)

輝:や…め……っ! 別に、してもわらなくても……いい!

雅:嘘は言っちゃいけないよ。ここは気持ちよくしてもらいたいってさ。(下の方に手を伸ばす)

輝:あっ! ばかっ……!(雅臣の肩を押す)

雅:こらこら、邪魔しちゃ駄目だよ?

 雅臣は輝紀を窘めながら、輝紀の両手を片手でまとめ、もう片方の手で器用に輝紀の衣服を脱がせていった。
 両手を塞がれ、ジーンズは腿の辺りまでしか下げられていないので、まともに抵抗することができない輝紀は、抗うのを止めて雅臣に躰を委せることにした。

雅:最初からこう素直だといいんだけどね。でも、そこが魅力なんだよね。

 雅臣は輝紀の様子を見て、忍び笑いをしながらポツリと呟いた。



【END】