雅臣と輝紀
雨
※高校生※
輝:……なぜお前がいる。
雅:いや、その前に輝紀……。その格好は……。
輝:格好? いつものワイシャツじゃないか?
雅:い、いや、それはそうなんだけど……。透けてて超エロい!
輝:変なこと言ってんじゃない! さっき、突然土砂降りになったんだよ。傘持っていなかったからずぶ濡れだ。丁度いいや雅臣、タオル持ってきて。
雅:はいはーい。(タオルを持ってきて手渡す)
輝:サンキュ。……で、お前は何でいるんだ?
雅:恋人が恋人の家にいても、何の不思議もないでしょ?
輝:……あそ。
雅:最近輝紀反応薄くなってきたよね。
輝:慣れだろ。
雅:前は、『恋人』って言っただけで照れちゃって可愛かったのにね〜。何か寂しい気がするよ。
輝:[アホか]
輝紀は雅臣の言うことを無視して部屋に上がると、風呂場に向かってとする。
雅:輝紀、風呂?
輝:一緒に入るとかバカなことはぬかすなよ。
雅:言わないけど……。脱ぐの手伝ってあげるよー。
輝:わっ! ばかっ! やめろっ!
雅:早く脱がないと風邪引いちゃうよ?
輝:このバカ! 離れろ! 服ぐらい一人で脱げるっての!
雅:そんなの分かってるけど、俺が脱がしたいの。
輝:変態野郎! ──んっ!
雅:ほらほら、暴れるから変なとこに手が当たっちゃうんだよ?
輝:おまっ! くっ。絶対、わざとだろっ!?
雅:何のことかなー? さてさてお次はズボンですよー♪
輝:や、やめっ!
輝紀の制止も聞かず、雅臣は素早くベルトを抜き取る。
輝:やめろって──くしゅん!
雅:大丈夫、輝紀? 今脱がせてあげるからね。
輝:っ! ちょっ、お前! 変なとこ、触んなっ!
雅:変なとこって、ここ?
輝:うっ……あ……!
雅:おやおや、こんなにしちゃって。これじゃあ一人で入れないよね〜?
輝:…くっ! おまえ……!
雅:俺が一緒に入ってあげるよ……。
耳元で囁かれた輝紀は、顔を真っ赤に染めながら言葉にならない呻き声を出すと、力の入らない躰を仕方なく雅臣に預けた。
輝:お前、最初からこれが目的だっただろ……?
雅:まさかあ。たまたまだよ?
輝:……くそっ。
輝紀は悔しそうな声で呟くと、いつの間にか服を脱いだ雅臣と共に風呂の中に入って行った。
雅臣がなぜ輝紀の家にいたのかは、後ほど詳しく問い詰められることになるだろう。
【END】
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