雅臣と輝紀
お約束?
※高校生※
〔雅臣視点〕
「暑い……」
部屋の中に吹き抜ける生温い風を感じながら、輝紀が不機嫌気味に呟いた。
輝紀は今日、俺の家に遊びに来ていた。本当はどこかに出かけようかと思っていたのだが、輝紀が「暑いから嫌だ」と言ったので、結果お家デートとなったのだった。
まあ俺は、輝紀といられれば何でもいいんだけど。
「ホント、今日は暑いねー。昨日は涼しかったのに」
俺は棒アイスを頬張りながら輝紀に言う。
暑いのならば冷房を入れればいいだろうという話なのだが、残念なことに冷房は四日前壊れてしまい、今修理に出している最中なのだ。今この部屋にあるのは、温い風しか吹かない扇風機しかない。
「こんなことなら、家にいればよかった……」
輝紀がシャツの胸元を掴み、パタパタと風を入れるようにしながら吐き捨てるように言う。
その光景が何か色っぽくて、俺はいけない想像なんてしながら輝紀を見ていた。
そんな俺の視線に気づいたのか、輝紀がジト目でこっちを見てきている。
「どうした、輝紀?」
「……別に」
輝紀はフイッとそっぽを向くと、胸元をパタパタさせながらため息をついた。
「ねえねえ」
「何だよ?」
俺は食べ終えたアイスの棒をゴミ箱へ投げ捨て、輝紀に近づく。
「暑いから近寄るな」
「ならさ、暑いのなんて忘れちゃうようなこと、しない?」
わざと輝紀の耳元で低く囁き、手を輝紀の腰に回す。
「遠慮しておく。触るな暑い」
嫌そうな発言をする輝紀だったが、俺は輝紀の顔が赤くなったのを見逃さなかった。
腰に回していた手を尻へと移動させ、撫でさする。
「ば、馬鹿! 離せって言ってるだろう!」
「やーだ」
輝紀は必死に抵抗してくるが、暑さのためかそれ以外の原因なのか、あまり腕に力が入っていない。俺はそれをいいことに、輝紀の首筋に吸いつき、できた鬱血を舐めあげる。
「んんっ」
「やだって割には、もう乗り気みたいだけど?」
「あっ。おまっ」
尻を撫でていない方とは反対の手で、輝紀の股間を揉むように触る。
敏感なそこは、揉まれるごとに大きさと硬さを増していく。
「やっめ……。んっ……」
「暑さを忘れること…しよ……?」
俺はもう一度囁くと、躰にろくに力の入らなくなった輝紀をそっとその場に横田おらせ、暑さに負けないような熱いキスをした。
【END】
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