雅臣と輝紀

逢いたい時には

※高校生※


輝:一年に一日しか逢えないって、どんな気持ちなんだろうな。

雅:何?

輝:しかも、一日と言ったって、大した時間も一緒にいられないわけだよな。

雅:輝紀、いったいどうしたのさ?

輝:あ? ああ。今日、七夕だろ?

雅:あ、そうだった。だから、あんなこと言ってたの?

輝:まあな。やっぱ、どんな気持ちなのかは、実際に体験してみないと分からないよなー。

雅:え? ちょ? 輝紀!?

輝:何だよ。腕痛い。

雅:やだよ? やだよ! 俺は輝紀と一年に一度しか逢えないなんて、絶対に嫌だよ!?

輝:は? お前、頭大丈夫か? 何で俺たちの話しになるんだよ?

雅:だって、そんな感じの口調だったし。

輝:勝手に誤解するなアホ臣。

雅:……嫌な呼び方。

輝:お前が呼ばせたんだろう。

雅:そうかもしんないけどー。

輝:変な心配すんなよ。……俺たちは、逢いたい時には、いつでも逢えるじゃないか。

雅:え……?

輝:な、何だよ。見るなよ。

雅:輝紀……。だよね、俺たちは、逢いたい時にはいつだって逢えるんだもんね。それこそ、毎日だって一緒にいられる。

輝:いや、毎日は遠慮しておきます。

雅:そんな〜。

輝:まあ、逢える時間も大切だけど、二人で何をするかってのも大事だよな。一緒にいる時間の内容が濃ければ、少し離れたって耐えられそうだし。

雅:悟ってるねー。

輝:うるさい。

雅:でもまあ、輝紀の言う通りかもね。ってことで、これから俺たちも、濃い内容で過ごしましょ?

輝:……だからって、何で組み敷かれなきゃいけないんだよ?

雅:これから、甘く濃い時間を過ごすために。

輝:はぁ……。


 首筋にキスを落としてくる雅臣に、輝紀は少し頬の筋肉を緩めながらため息をついた。



【END】