雅臣と輝紀

一緒なんだよ

※【これからもね】の続き※
※メタ発言一部あり※


雅:輝紀、話があるんだ。

輝:……何だかデジャヴ?

雅:……そこは気にしない。俺らがそのことを気にしたら負けだから。それより、話、聞いてくれる?

輝:何に負けなのか知らんが、分かったから早く話せよ。

雅:その前に、輝紀の隣に座っていいかな?

輝:そんなこと言わなくても、好きにすればいいだろう?(いつになく輝紀の様子を伺ってくる雅臣に若干イラつきながら雅臣を見る)

雅:うん、ありがと。(ニッコリと笑うと、いそいそと輝紀の隣に移動し、さり気なく輝紀の肩に手を回す)

輝:この手は何だ?

雅:輝紀が好きにしていいって言ったから、好きにさせてもらってるー。

輝:……あそ。(呆れた表情を隠しもせずに、あからさまにため息をつく。しかし回された手をどけることはしない)

雅:で、本題なんだけどね。……引越し、いつにする?

輝:……え? それ、もしかしてまだ続いていたのかよ?

雅:アレで終わりなんて俺は嫌だもん。詳しくも決まってなかったし、あのまま終わって、その後どうなったのか皆気になるところでしょ?

輝:皆って誰だよ。

雅:皆は皆でしょ。だからね、そこは深く追求しちゃいけないんだって何度言ったら分かるのさ?

輝:気になるもんは気になるんだ。分からないままにしておいたら気持ち悪いし。……俺が。

雅:……今、何か最後に何か聞こえたような気がするんだけど?

輝:え? 何? 僕分からない。お願い雅臣くん、僕に教えて?

雅:き、キャラ! 輝紀、キャラが違うよ!! それはそれで可愛いけど、それは違うからね!?

輝:うっせえな。そこまで気にするような変化はなかっただろうが。

雅:いやいやいやいや!! 『僕』とか言っている時点で全然違う人になってるから! お願い気づいて!(輝紀の肩を両手で揺さぶりながら必死な形相で言う)

輝:あーあーあーあーあー! うぜぇ!!(雅臣の手をバシリと叩いて頭を勢いよく叩く)

雅:いったい! 暴力反対!!

輝:だからうるさいんだよ。

雅:そんな暴力振るうなんて、輝紀は俺のこと嫌いなの?

輝:それとこれとは話が違うだろうが。

雅:同じだよ。俺のことが嫌いだから殴るんでしょ? 俺のことなんてどうでもいいから、そんなにすぐに手が出るんでしょう? 違うの?

輝:……何だよ、何で今日はそんなに食い下がるんだ?

雅:だって、重要なことなんだから仕方がないじゃん。

輝:雅臣……?(先ほどまでおどけていたはずの雅臣が急に真剣になりとにかく不思議に思い、雅臣の顔を覗き込み様子を伺う)

雅:…………。(輝紀に顔を覗き込まれ無言のまま見返し、仕舞いには瞳にうっすらと涙を浮かべる)

輝:お前、変だな。(雅臣の頬を両手で包みながら、優しい笑みを浮かべて言うと、雅臣の額に自分のそれをつき合わせ)俺がちゃんと言葉で言えば、お前は納得するのか?

雅:……うん。

輝:そんなに、言葉がないと不安になるのか?

雅:輝紀は、不安にならないの?

輝:……よく分からないな、そういう風に考えたことないから。

雅:俺はいつも不安になるんだよ?輝紀はあんまり他人のこと信用しないし、頼りにもしてくれないから、もしかして俺のことも信用してくれていないんじゃないかって、思っちゃうんだよ。

輝:…………。(雅臣の話を聞き、沈黙をしながら辛らつな表情をして雅臣の言われたことを心の中で繰り返す)[雅臣、いつもそんなこと考えていたのか。俺のせいで、こいつのことを不安にさせていたのか?俺がこんな性格をしているから]

雅:輝紀、大丈夫?

輝:[自分の方が大丈夫そうじゃないのに、俺のことなんて心配しちゃって……。本当コイツって……]

雅:て、輝紀!?(いきなり首に腕を回してきた輝紀に狼狽しながら仄かに頬を赤らめる)

輝:好き。大好き。愛してる。お前しかいない。信用してる。信頼してる。お前が一番だ。

雅:輝紀……。(耳元で呟くように言ってくる輝紀に、今度は嬉しさから泣きそうになりながら輝紀の背中に腕を回す)

輝:お前が納得するまで、満足するまで何度だって言ってやる。今まで言わなかった分、全部言ってやってもいい。だから……。そんな顔するなよ。

雅:……ん。(輝紀に口づけをされ、静かに目を瞑る)

輝:ん……、はぁ……。(舌を忍び込ませ歯列をなぞり、口内を弄り雅臣に舌を絡ませる)

雅:てる、き……。(口づけを深くしながら、嬉しそうに輝紀の名前を囁き、それまで受身だった体勢を変え、輝紀の後頭部を支えるように手を添える。そしてゆっくりとその場に押し倒す)

輝:……雅臣、まさか、やる気か?(自分の上にいる雅臣を見上げながら、決して嫌そうな顔は見せずに言う)

雅:うん、そう。そんなこと言ってるけど、嫌じゃないでしょう?(輝紀の頬に手を添えながら、いたずらを始める子供のように微笑み、唇に軽くキスをする)

輝:……嫌なわけねえよ。(挑むように口角をあげ、雅臣の服の中に手を滑り込ませる)

雅:ん……、ふふふ。(少し冷たい輝紀の手にピクリと体を震わせながら、輝紀の上着を脱がそうとする)

輝:今日は寝かせないぞ?

雅:それはこっちの台詞だよ。(上着を脱がせ、露わになった輝紀の胸の突起を指で摘む)

輝:っ……。寝かせないついでに、俺が挿れてやろうか?

雅:いやいや、それは遠慮しておきますから。

輝:そんな遠慮なんてする必要ないじゃないか。

雅:いや、全力で遠慮させてもらうから! それに俺は輝紀に挿れるのが好きだし。

輝:露骨なこと言ってんじゃねえよ。

雅:元はと言えば輝紀が言ってきたことじゃないのさ。

輝:俺はお前みたいに露骨に口に出したりなんてしていない。

雅:同じようなもんでしょうが。(頬を膨らませながら、輝紀のズボンを脱がしにかかる)

輝:俺のこと愛してるなら、一回くらいは逆になったっていいじゃないかよ。(文句なようなことを言いながら、雅臣に倣うように衣服を剥ぎ取っていく)

雅:……どうしてそういう時だけサラリと『愛してる』って言えるのかな輝紀は。(隠し切れない苦笑いを浮かべて、手を輝紀の下肢に這わせる)

輝:ん……。(雅臣の言ったことを綺麗に無視をしてうなじに指を沿わせ、口づけをする)

雅:……輝紀。

輝:…………好きだ。

雅:俺も、大好き。


 二人は夜が明けるまでゆっくりとお互いの気持ちを交し合うように、熱く抱き合っていた。



【END】