雅臣と輝紀

すきんしっぷ

※高校生※


雅:今日は天気いいね。

輝:そうだな。

雅:こんな日はどこかに行きたいね。

輝:そうだな。

雅:最近デートにも行ってないよね。

輝:そうだな。

雅:それにセックスもしてないよね。

輝:そうだな。

雅:……て、てるき! どっかおかしいの!? どうしたの!?

輝:何がだよ? お前こそいきなりどうしたってんだ?

雅:だって、輝紀が俺につっこんでこないなんておかしいでしょ? 輝紀、下ネタ嫌いなのに、何も反応してこないなんて具合悪いとしか思えないよ!

輝:言ってろアホ雅臣。(テーブルに頬杖をつきながら雅臣を眺め、本気で呆れたという風にため息をつく)

雅:ひどい! 輝紀が冷たい……って、いつものことか。

輝:お前、何気に失礼だぞ。

雅:あ。ごめんつい。

輝:…………。(雅臣にジト目を向けて、テーブルの下で足にケリを入れた)

雅:怒っちゃやーよ。(意外と痛かったらしく、輝紀に蹴られた箇所を擦りながら笑顔を作って言う)

輝:別に怒っちゃいねーよ。

雅:なら、こっち来て?(ちょいちょいと手招きをする)

輝:どういう脈略でそういうことになんだよ。

雅:どうもこうも、恋人同士なんだから、そのくらいのスキンシップ当たり前でしょうが。

輝:面倒くさい。

雅:だから、そんなこと言っちゃいやー。

輝:ガキかテメーは。

雅:そう。僕は子供なの。だから抱っこして?(輝紀に向かって両手を突き出しながら、首を少し横に傾げて言った)

輝:断る。

雅:輝紀に拒否権はない!(きっぱりと言うと、輝紀の前まで移動して、ギュッと自分から抱きついた)

輝:やめろっ。

雅:そんなこと言って、本当は嬉しいくせに。

輝:お前だけがそう思ってるだけだろうが。

雅:俺たちは相思相愛。以心伝心。

輝:…………。(もはや何も言う気力もなくなったのか、わざとらしく大きくため息をつくと、仕方がなくといった感じに雅臣の腕をポンポンと軽く叩いた)

雅:これぞ恋人同士のスキンシップ。

輝:男同士で寒いだけだろうが。

雅:輝紀は暖かいよ?

輝:意味合いが違う。

雅:気にしたら負けだから。

輝:何に負けたんだよ。

雅:俺に。

輝:……馬鹿。

雅:輝紀もバーカ。

輝:言ってろ。


 二人はそんな言い合いをしながらまったりと一日を過ごしていった。



【END】