雅臣と輝紀

俺の話を聞いてくれ!

※高校生※
※メタ発言大量※


雅:という訳で――。

輝:却下。

雅:ちょっとちょっと! まだ何も言ってないじゃん!

輝:これでこの話は終わりだ。じゃ、皆さんまた次回。

雅:ちょーっとー!!



【END】





雅:って、終わらせてたまるかぁ!!

輝:うるさいな。さっき終わったじゃないか? ちゃんと【END】も出たし。

雅:そんなの俺は認めない! こんなこと、あっていいはずがないんだ!

輝:でも、実際あったことだし。

雅:何かの間違いに決まってる!

輝:間違いじゃないから。

雅:それに、輝紀のことだけ贔屓しすぎなんだよ。俺が言っても何も聞いてくれないのに、輝紀の言うことはたいていなんでも聞いてくれるし!

輝:誰に向かって言ってんだ?

雅:ピーに決まってるじゃん! だいたい、ピーはピーピーなんだよ! ピーピーピーピー!! ピーピーピー!?

輝:……何言ってんのかわかんねーぞ?

雅:ピーピーピーピーピーピーピー!!!ピーピーピー!?!?

輝:……とりあえず、謝っておけば?

雅:ピピピー!?

輝:お。今のは分かった。『なんでー!?』だろ。

雅:ピピピピピー!

輝:それはそれで面白いんだが、会話が成り立たないから、やっぱ謝れ。俺のためにもそうしろ。(雅臣の頭を掴み、下に向けさせる)

雅:……ごめんなさい。あ。もどった。

輝:もう変なこと言うなよ。

雅:俺が喋れないと寂しい?

輝:めんどうだから。

雅:……お世辞でも『寂しい』って言ってくれないの?

輝:すっごく寂しい。どうしようもなく寂しくてしょうがない。お前が喋らないと寂しすぎる。

雅:……そんな投げやりな言い方で言われても嬉しくない!

輝:言ってやっただけいいと思え。

雅:輝紀が冷たい!もっと輝紀を優しくしてよ!

輝:だから、さっきから誰に向かって言ってんだよ。

雅:たまには俺の言うこと聞いてくれたっていいじゃん! 減るもんじゃないんだからさ!(明後日の方向を見ながら叫ぶ)

輝:どっかに行ったな。(しまいには拳を握り締めながら叫んでいる雅臣を見て、手近にあった雑誌を広げて読み始める)

雅:俺のこと愛してないの!? 輝紀にしか愛は向いてないの!? そんなの酷いじゃん! いくら輝紀が超絶可愛いからって、贔屓はよくないんだからね!! 平等に愛してくんなきゃグレてやる!

輝:……何を言ってんだか。

雅:俺がグレちゃったらこの話できなくなるんだよ! 分かってる!? 俺だってこれでも一応主人公なんだよ! 重要な人物なんだよ! 左側の男なんだよ!? 俺がいなきゃ輝紀もアンタもやってけないんだからね!!

輝:俺は雅臣がいなくてもやっていける。

雅:ちょっ! 輝紀まで! どさくさに紛れて酷い!

輝:『まで』って何だよ。いい加減、馬鹿なこと言うのやめろよ? どうせ聞き入れてもらえないんだし。

雅:応援してよ! 俺の一大事だよ!? 俺の生命がかかってるんだよ!?

輝:そこまで重大なことじゃないと思うんだが?

雅:ひーどーいー! 二人して俺のこと愛してないんだ! 俺がいなくなってもいいんだ!(顔を両手で覆い、わーんと泣く)

輝:……うざい。あー。これ以上うざくなられると身が持たないんで、どうにかしてください。(ギブアップという風に両手を上げる)

?:……しょうがないので話を聞こうと思います。

輝:お願いします。

?:で、具体的には何をすりゃいいんでしょう?

輝:おい雅臣、話聞いてくれるって。

?:……聞いてないぞコイツ?

輝:まーさーおーみー。

?:……しょうがないので、じゃあ、こうしましょうか。

輝:はい? …………。……なるほど。でも、その、何て言うか……。

?:恥ずかしがっている場合じゃないだろ。

輝:そりゃ、そうだけど……。俺にもプライドってもんが……。

?:今だけはそのプライドはどっかに置いて。

輝:どっかって……。

?:早くしないと、あのままうざいだけだよ?

輝:そう、だが……。

?:男、輝紀は覚悟を決めたように雅臣の背中に額を押し付けると、小さな声で雅臣に言った。

輝:ちょっ!?

?:早くしないか!!

輝:あーもー!(やけくそ気味に覚悟を決めると、? に言われた通り、雅臣に近づいた)

雅:……え? 輝紀?(それまで取り乱していた雅臣が、背中に輝紀の温もりを感じ、平静を取り戻した)

輝:お前がいなくなるなんて、俺、嫌だよ。もう、俺は雅臣がいないと、だめ、なんだから……。(顔を真っ赤にしながら、今にも消え入りそうな声で言い)あ、愛してるん、だ、から。

雅:て、輝紀!!(輝紀の言葉に感激したらしく、ぐるっと勢いよく輝紀の方を向くと、思い切り抱きしめ)嬉しい! 輝紀が俺のことをそこまで思っていてくれるなんて!(抱きしめたまま輝紀をその場に押し倒す)

輝:って!(勢いがついていたために、背中を床に強打する)

雅:輝紀! 輝紀!!

輝:よ、余計にうざい!!

 輝紀の叫びなどまったく聞いていない雅臣は、輝紀の衣服を剥ぎ取っていく。

輝:これじゃ話が違う!

?:今日の所は我慢ってことで。

輝:がまんできるかー!!!!

 輝紀の悲痛の叫びは空間の中へと消えていった。



今度こそ【END】