雅臣と輝紀
お風呂ですよ★
※大学生※
輝:お前、自分のことどう思ってんだ?
雅:え? いきなりどうしたの? 質問の意図がいまいち分かんないんだけど……?
輝:いや、特に意味はないんだが、お前の思っているお前の像と、俺の思っているお前の像は絶対に違うんだろうなって思ってよ。
雅:……何か、難しいこと言ってる?
輝:別に難しいことなんて言っちゃいねえだろうが。
雅:いや、俺には十分理解不能だね。何でそんなことを輝紀が思ったのかも、どうしてこの状況で言ったのかも。(そう言うと手にしていたシャワーヘッドを輝紀の方に向けて輝紀の頭からお湯をかけた)
輝:ばっ!? ぶはっ!! テメエッ! 突然お湯かけんじゃねえよ!
雅:いやー、何となくかけてみようかと思って。(咳き込みながら自分を睨みつけてくる輝紀に笑いを含んだ声で答えると、シャワーのお湯を止め、輝紀の入っている湯船の中に入っていく)
輝:狭い。
雅:文句言わないの。それにいつものことでしょうが。
輝:…………。(背中に密着している雅臣を毎度のことながらウザイと思いつつも、雅臣に体重をかけおっかかる)
雅:で? どうしてあんなこと言ったの? 別にお風呂上がってからでも良かったんじゃない?
輝:ふと思ったから訊いただけだ。思い立ったが吉日って言うだろうが。
雅:いや、この場合何か違うと思うんだけど?
輝:ほっとけ。
雅:もー、不貞腐れないの。(フンっと鼻を鳴らした輝紀を見て、微笑みながら濡れている輝紀の髪を掻きあげるように優しく撫でる)
輝:…………。(ゆっくり撫でられている感覚に、眼を瞑りながら背中に感じる雅臣の鼓動を聞いていた)
雅:ん? 輝紀、寝てる?
輝:……寝てない。
雅:声が眠そうなんだけど。ここで寝たら、風邪引いちゃうよ?
輝:だから、寝ないっつの。
雅:じゃあ、寝ないようにしてあげようか?
輝:は?(突飛な雅臣の発言に雅臣の方に首を回して訝しげに睨み見る)
雅:ほら、こうすれば眠くはならないでしょう?(そう言いながら輝紀の両方の胸の突起を弄り始めた)
輝:ばっ! ぁっ。
雅:まだ眠い?
輝:だから、眠くないって、言ってん、だろうがっ。(胸を弄られ逃れようとするが、狭い湯船の中に二人で入っているためにうまく身動きもとれず、ただお湯を揺らすことしかできなかった)
雅:こーら、暴れないの。
輝:暴れてんじゃねえよっ。出ようとしてんだっ! いい加減手を離せ!
雅:何で? 気持ちよくないの?
輝:気持ちいいとか、そういう問題じゃ、ないっ。あぁっ。(キュッと突起を捻られ、抑え切れなかった声を出しながら雅臣の胸に背中を押しつける)
雅:痛かった?
輝:し、るか……。
雅:……ああ、気持ちよかったんだ。
輝:黙れ!!
雅:わわっ!? ホント、暴れないでよ、危ないから
輝:そう思うなら、手を離せ!!
雅:いーやーだー。
輝:わがまま言うな!
雅:輝紀こそ、心にもないこと言わないの。
輝:はあ!?
雅:ここ、ちゃーんと反応してるじゃん。(ニヤリと口の端を上げてそう言うと、形を変え始めている輝紀の下肢に手をやる)
輝:うぁっ!
雅:本当に嫌だったら、ここをこんなにはしないよね?
輝:それはっ……。しょうがねえだろうが! 生理的現象ってやつだ!!
雅:……開き直っちゃってる?
輝:黙れ!
雅:……ふー。輝紀は本当に素直じゃないんだから。
輝:意味が分からん!!
雅:分かった。分かったから、もう耳元で怒鳴るのやめて?(そう言いながら触れていた輝紀の雄をゆるゆると上下に扱き始めた)
輝:んんっ。
雅:気持ちいい?
輝:き、くな……。
雅:よかった、ちゃんと気持ちよくなってるんだね。(顔を俯け、小さな声で言った輝紀に、それを自分のいいように勝手に解釈すると、片方の手で輝紀の雄の先端を指でくるくるとなぞり、もう片方の手で大きく竿を上下に扱き輝紀を昇りつめさせる)
輝:あっ、んんっ……。はぁっ、あぁ……。(俯けていた顔を上げ、喉を仰け反らせながら雅臣の首元に頭を押しつけ、右手を雅臣の頭に回す)
雅:輝紀、すっごくエロイ……。(輝紀の耳元で低い声で囁く)
輝:んんっ。(雅臣の声と耳にかかる暖かい息に、ゾクリと全身に快感が走り雅臣に弄られている雄に硬さが増した)
雅:輝紀、もうイきそう?
輝:うっ、んんっ……。あ、つい……。
雅:おーい、輝紀。俺の言ってること聞いてるかい?
輝:…………っ。耳、元で、話すなっ。(雅臣の頭に回していた手で雅臣の耳を自分とは反対側に引っ張り距離を取ろうとする)
雅:い、痛いよ輝紀!
輝:うっ、さい……っ。あつ、い、んだよっ。
雅:もー、しょうがないな。(今度はぐいぐいと頭を押しつけてきた輝紀に、微笑みを浮かべながら輝紀の雄から手を離し、輝紀の両脇の下に腕を回し)よっこいしょ。ほら輝紀、お湯の中から出るよ。自分でも立つ努力をしようよ?(全体重を自分にかけている輝紀に苦笑しながらも、輝紀と共に湯船の中から出る)
輝:はぁっ、はぁっ。(荒い息をつきながら壁を背にして床に座りこむ)
雅:輝紀、大丈夫? もしかしてのぼせちゃった?
輝:いったい、誰の、せいだとっ!
雅:お、怒らないでよー。でも、もう眠くはないでしょ?
輝:今そんなことを、言ってる場合か!?(キッと雅臣を睨みつけながら、自分を覗き込むようにして様子を伺っている雅臣を蹴る)
雅:いたいいたい。(口ではそう言いながらも、まったく力の入っていない輝紀の足を抑えると)ねえ、輝紀。
輝:なんだよ。
雅:前、辛いでしょ?
輝:……っ!
雅:まだイってないもんね。
輝:お前はっ……。(怒りを押し殺した声で雅臣を見る)
雅:ちゃんと、イきたい?
輝:…………。
雅:辛い、よね?
輝:………………。
雅:黙ってちゃ、分からないんだけど?
輝:…………。……せろ。
雅:俺にやって欲しい?
輝:……は、早くイかせろ!!
雅:(睨みつけながら命令する輝紀に、本当に可愛いと思いながら)はい、仰せのままに。(閉じている輝紀の足を開かせ、輝紀の唇にキスをしながら輝紀の雄を扱き始めた)
輝:あっ。んんっ!
雅:ねえ、輝紀。
輝:な、に……。
雅:口で、した方がいい?
輝:ばっ!?
雅:やっぱり、口の方が気持ちいいでしょ?
輝:[ふざけんなこいつ! マジで言ってんのか?つか、俺に答えさせるな!!]
雅:[輝紀、顔真っ赤にしちゃってかーわいいの。ちゃんと輝紀の口から聞きたいんだけど、これ以上意地悪しちゃったら輝紀、口聞いてくれなくなりそうだしなー](そう考え、口をパクパクとしている輝紀にニコッと笑いかけると、輝紀の雄を口に含んだ)
輝:あぁっ!!
雅:(口を窄ませ、リズミカルに唇で上下に扱き、時折先端を舌先で攻めながら)……輝紀、気持ちいい?
輝:んぁっ。しゃべん、なっ! んんっ。(雅臣の髪を一掴みギュッと掴む)
雅:いたたたっ! 髪の毛引っ張んないでよ。(苦笑しながら言うが、輝紀は手を離してくれる様子もなかったため、髪を掴まれたまま行為を続ける)
輝:ああっ。ふっ。んーっ!
雅:イきそうになったら、教えてね?
輝:も、ヤバい……。
雅:もう? ちょっと早くない?
輝:うっせえ! さっき、さんざん、お前が弄った、せい、はっ、だろう、がっ。ぁっ……。
雅:ごめんごめん、そうだったよね。だからお願いだからそれ以上髪の毛引っ張んないでっ。(そう言うと輝紀の雄の先端をちゅうっと吸い、最後の仕上げとばかりに奥まで雄を咥え、輝紀を絶頂に導く)
輝:あっ、ああっ、ああぁっ!
雅:ん……。(達した輝紀の精をごくりと喉を鳴らして飲み込むと、荒い息をついて自分の方を見ている輝紀の髪を梳き、輝紀の額にキスをした)
輝:……はぁ、はぁ。
雅:輝紀、気持ちよかった?
輝:……お前は、どうしても、それを俺に言わせたいのか?
雅:そりゃ、俺で輝紀がどう感じてくれたのか知りたいと思うのは、当然のことでしょ?
輝:…………。(そう言われたとしても絶対に言いたくないので話を逸らすように)……お前、それ、どうすんの?(反応しかけている雅臣の雄に視線をやる)
雅:ん? ……ああ、俺はいいよ。輝紀に満足してもらえたなら、俺はそれで十分だから。
輝:……何、いい人ぶった発言してんだよ。気色わりい。
雅:ひどい! 俺はいい人ぶってんじゃなくて、本当にいい人なんだよ!?
輝:……本当にそうな奴は自分でそんなこと言ったりはしねえっての。
雅:俺は特別。
輝:意味が分からん……。(無駄に胸を張る雅臣に、呆れたと言わんばかりに大きくため息をついた)
雅:輝紀。
輝:何だ?
雅:そろそろ、上がろうか?
輝:……お前がそれでいいなら、そうすればいい。
雅:何? 輝紀、まだ足りないの?それならそうと早く言ってくれないと。
輝:なっ!? 何勝手に解釈してんだよ! って、触るな! あちこち舐めるな!!
雅:俺のこと、心配してくれてんだよね?
輝:そんなことっ。
雅:そんなことない? 本当に?
輝:うっ、そ、それは……。(手の甲で口元を隠しながら、そっぽを向く)
雅:本当に輝紀は優しいなー。じゃあ、後でゆっくりじっくり……。ね?
輝:何をだー!!
輝紀の怒鳴り声は風呂場に大きく反響し、その声は外まで聞こえていたとかいないとか……。
雅:ああ、それと。
輝:……何だよ。
雅:俺はたぶん輝紀と思っていることと同じように思っていると思うよ。
輝:…………?
雅:何?自分で言ったこと忘れちゃったの?
輝:……ああ。つーか、ちゃんと理解してんじゃねえかよ。
雅:ふふ。
輝:俺と同じなんて、何でそう言えんだよ。
雅:それは、な・い・しょ。
輝:……キモイ。
雅:ひどいー!!
輝:わわっ!? 抱きつくな!
雅:俺だからいいのー。
輝:わけの分かんねえこと言うな!
雅:へへへへ。
輝紀は俺のことを俺以上に理解してくれているし、俺も輝紀のことをすっごく分かってるんだよ?だから、俺と輝紀の考えてることはきっと同じに違いない。だって、俺たちはこんなにも互いのことを想いあっているんだから。
雅臣は輝紀をギュッと抱きしめながら、心の中でだけそっと呟くと、優しい笑みを浮かべて、
「大好きだよ」
と、輝紀に囁いた。
【END】
Copyright(c) 2015 murano tanaka All rights reserved.