雅臣と輝紀

※高校生※


輝：俺は君の瞳に夢中さ。

雅：オレは君の唇に夢中さ。

輝：……唇ってなんか下心ありそうじゃないか？

雅：別にないもん！　ただいいと思ったんだもん！　オレのはオリジナル感があるけど、輝紀のなんかありきたりじゃん！

輝：瞳ハ嘘ツカナイネ。

雅：なんでカタコト！？

輝：それより、こんなことしてて楽しいか？

雅：て、輝紀が言い出したクセに、その言い方はないんじゃないの！？

輝：あ？　俺だっけか？

雅：ついさっき言ったこと忘れないで！

輝：まぁ、んな細かいことは置いといて。

雅：大事！　大事だから！！　すっごく大事なことなんだからね！

輝：雅臣の思うクサイ台詞には、もれなく下心がついてくるってことがわかったわけだな。

雅：だから下心ないってば！　しかもちゃんと、自分の思っているクサイ台詞がなんなのかってことも覚えてるし！！

輝：お前ってば、的確なツッコミできるんだな。

雅：……それって、誉めてくれてんの？

輝：当たり前だろ？　こんな賛美滅多にないぞ？

雅：……こんなことで頭撫でられても、まったく嬉しくない！！

輝：こんなに優しくしてやってんのになにが不満なんだ？

雅：わかってるくせに！　わかってるくせに！！

輝：……くくく……。

雅：わーらーうーなー！！　輝紀の鬼ー！

輝：こんなことで鬼呼ばわりすんなよ。

雅：鬼！　外道！　非道！　鬼畜！！

輝：……お前な……。ガキかよ……。

雅：ガキで結構！　陰険鬼畜よりましだもん！

輝：…………ほう。結構言うじゃなねえか……？

雅：て、輝紀！？　め、目が怖いよ……！？

輝：陰険鬼畜がお好みなんだろ？　なら、お望み通りにしてやるよ。

雅：ま、待って！？　落ち着いて！？　な、なにするつもり！？

輝：なにって、鬼畜なことをしてやろうかと思ってな。

雅：だから、その、内容を、教えてって！！

輝：このっ。抵抗すんな。往生際が悪い。

雅：するから！　なにすんのかわかんないんだから、抵抗するのは当たり前だから！

輝：優しくしてやるよ……。

雅：きゃー！　こんな時にエロい声出さないで！！

輝：抗えなくなるってか？

雅：うっ……。完全に否定ができない……。

輝：……アホだな。

雅：うー！　輝紀だからしょうがないの！！

輝：屁理屈。

雅：これは理屈！！　そ、そう言いながら迫らないで！！

輝：俺さ、お前のその泣きそうな顔結構好きなんだよな。

雅：す、好きって言ってくれて嬉しいのに、嬉しくない！！

輝：ま、観念するんだな。それじゃあ、初めは【唇】から……。

雅：た、助けて〜！！



【ＥＮＤ】

20130715