SS
内にある気持ち★
甘い言葉は今はいらない。理性も何もかも捨てて、俺にすがりついていて欲しい。
君はもう俺のモノ。俺ももう君のモノ。激しく突いて、俺を狂わせて。
痛くても構わない。君から与えられる痛さは、今では快感なんだ。
君に抱かれて、俺は淫らに変わってゆく。
この変化は嫌な訳じゃない。でも、少しだけ怖いんだ……。
「……どうした?どこか、辛いかい?」
動きを緩めて、君は俺を心配そうに見てくる。
……怖いって言っても、君は俺を離したりはしないか?
俺を覗き込んでくる視線に、自分の視線を絡ませながら小さく口を開く。
「……俺…君が…好きなんだ……」
「僕もだよ……」
そう言いながら君は少しだけ腰を動かす。
「ぁっ…!でも、俺……」
こんな風に変わっていく自分が、少しだけ怖い……。
「何か言いたいことがあるんなら言って?ちゃんと全部、受け止めてあげるから」
君は言うと、俺にふわりと口づけてきた。
──君なら、俺の本心を言っても大丈夫だ。
君の言葉を聞いてそう思った俺の目から、自然と涙が流れていった。
「……りがとっ。大好きだ」
俺は言って、君の首にしっかりと腕を回した。
「僕も、大好きだよ」
俺の背中に腕を回して、君は耳元で低く囁いた。
いつか絶対、俺の本心を君に打ち明ける。俺はそう心に決めた。
だけど今は、この俺の暗い考えを吹き飛ばしてしまうくらい君に抱いて欲しい。
強く、強く、俺の不安を無くしてしまうくらいに……。
「…う…ごいて…くれ」
言葉に出すのは恥ずかしかったけれど、それが今の俺の正直な気持ち。俺はその恥ずかしさを紛らわすように、君の首に回していた腕に少し力を入れて君に言った。
「そっちからそんなこと言ってくるなんて、珍しいね?」
「っるせえ……」
「お前から言ってきたんだから、覚悟しといてよ?」
君はニヤリと笑いながら言うと、動きを止めていた腰を激しく動かし始めた。
「うっ!…あぁっ!」
君の腰使いに合わせるように、自然と俺の腰も揺れていた。
「あっ…!もっ…と……!もっと、奥まで……」
自分でもとんでもない言葉を口走ってしまっているのには気づいたけれど、今更恥ずかしがってなどいられなかった。
もっと君を感じたい。もっと俺を感じてもらいたい。今はそれしか考えられなかった。
「…っく、こうか?」
君は俺の望み通りに最奥まで腰を進め、激しく突いてきてくれた。
「ぁあっ!…うっ…ぁっ!」
「愛してる…これからも、ずっと……」
君は苦しそうに言うと、貪るようなキスをしてきた。俺もそれに応えるべく舌を絡ませる。
──俺も、ずっと、ずっと、君を愛してるよ……。それだけは、絶対に変わりはしない。
【END】
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