SS
自己陶酔はお嫌い
「タカツキ!今日こそ俺と付き合ってくれ!答えはイエスがハイしか受け付けねえ!」
「……腐れどアホ。とっとと自分の星へ帰りやがれ」
「あぁん!?この天才的な俺様に向かってなんてことを言うんだ、このかわい子ちゃんは!というか、星って何だ!?」
星は星だ。お前は絶対にこの星の住民じゃねえよ。それにいくら天才的と言えるほど頭がいいといっても、お前の発言はアホ以外の何者でもないんだよ。
タカツキはそう思ったが、それを言ったらまだ馬鹿な発言を聞かされる羽目になると思い、固く口を噤む。
何も言わず自分を睨むように見つめてくるタカツキに、天才でアホ、コウサカは何を勘違いしたのか頬を赤らめると、
「そんなに俺様のことを見つめちゃって……、タカツキは俺様の美貌に目が離せなくなっちゃったのかな?しょうがないな。俺様はこんなにも美しい」
「……………………」
コイツの頭の中を解剖して見てみたい。コウサカの発言に、タカツキは心の底からそう思い、とても重いため息を吐き出した。
「それは、俺に見とれた故のため息かい?」
うっとりと陶酔した様子で自分の髪を掻き上げるコウサカに、タカツキは軽い殺意を覚える。
……どうして俺は、こんな変態ナルシストに好かれてしまったんだ?世の中たくさん人間が生きているというのに、俺、運悪すぎやしないか?
タカツキはコウサカから視線を逸らすと、眩しい青空を見上げる。
まだ何かを言っているコウサカの言葉など、タカツキにはもはや聞こえてはいなかった。
うるさいほどのコウサカの声を子守歌変わりに、タカツキは眠りにつくことにした。
俺は絶対にお前となんか付き合わないよ。……お前の性格が変わるのなら、話は別だけどな。
タカツキはそう思いながら、深い眠りに落ちていった。
【END】
20110425
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